2015年5月18日
田中さんの先祖は1600年の関ヶ原の天下分け目の戦いで、東軍の徳川家康方に付き、戦場で西軍の大将石田三成を近江の国で捕縛しました。
その功績により家康から筑後の国主(32.5万石)に任ぜられ、田中さんの直系の先祖も久留米の赤司城主(1.7万石)を務めました。
江戸後期に、田中家8代目が久留米藩主10代有馬頼永から大庄屋に任命された時、この短刀“筑後久留米住祐利”を受領したものだそうで、今では家宝扱いだそうです。
刀工祐利(すけとし)は名刀を多数世に送り出した備前の国・祐永(すけなが)一派で、筑後を代表する刀工・久留米有馬藩の刀匠として技量を高め、一代限りではあるが名を馳せた一人です。
この短刀は刃渡り19.6cmで、刃文(はもん)は五(ぐ)の目の丁字(ちょうじ)の乱(らん)で、錆びてたものを研ぎに出したら鮮やかに蘇ったそうです。
刀の姿は反りがなく鋭さが際立ちます。
柄(つか)には鮫革が巻かれ、鞘(さや)は桜の木でトンボが彫られるなど、ちょっと気取った持ち主と刀工とのやりとりが感じられます。
田中重雄さんは現在田中家の13代目だそうで、この短刀は代々田中家に引き継がれているそうです。
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