2019年9月2日
太宰府ゆかりの名刀です。
長さ2尺1寸6分半、65.7センチのすっきりした形の刀です。
刀工の名前は、金剛兵衛尉源盛高。金剛兵衛は、鎌倉時代から室町時代にかけて、宝満山の麓で修験者の刀鍛冶をしていた一派です。麓の竃神社には墓があったと伝えられ、石碑が残っています。
左側の鑑定書では、刀を握る柄に覆われる部分・茎(なかご)に彫られた元号が読み取れないため「□元年八月日」と記入されていますが、□は「応永」ではないかと推測され、室町時代の西暦1394年に作られたと考えられます。
金剛兵衛一派の刀は、茎の形が「卒塔婆頭」と呼ばれる山型になっているのが特徴で、真言宗との深い関わりが指摘されています。
また、刀紋は直線的に伸びた「直刃(すぐは)」で、古い刀によく見られる大きな反りがあります。
鞘には刀剣鑑定家の探山邊道識氏が、「九州の伝統を伝えている」等と特徴を墨書しています。
同じ時代、福岡には「左文字一派」と呼ばれる刀工集団も活躍していて、この地域が刀剣製作の高い技術を持っていたことがうかがえます。
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