2020年2月3日
“抜けば必ず血をみる”刀工・村正一派の刀は、そう恐れられてきました。
長さ9寸8分半、29.8センチのこの短刀は、戦国時代に作られたものです。伊勢(三重県)桑名周辺で、野戦用の刀作りが求められたことが、背景にあるようです。
徳川家康が村正の刀で負傷したこともあり、徳川家にとって災いをもたらすとの言い伝えから「妖刀」の形容詞がつきました。そのため幕末には、倒幕派の志士の人気を呼んだとも言われます。
柄(つか)に収まる茎(なかご)は、ふっくらとした“タナゴ腹”(魚のタナゴの姿に似た形)で、「村正」の銘があります。裏表の刃文(はもん)が揃っていて、「二代目村正の特色を明示する優品」との評が、木地の鞘に墨で書かれています。
日本刀の外装、漆塗りの拵(こしらえ)も添えました。江戸時代のものと思われ、武士の風格が漂います。
【参考】 「短刀」は刀長が1尺(30.3センチ)未満。
それより長いものが「脇差」とされます。
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