2023年9月4日
1964(昭和39)年の東京オリンピック開催にあわせて、日本文化を世界に発信しようと複製・出版された浮世絵シリーズ。第4弾は東洲斎写楽です。
写楽は葛飾北斎や安藤広重などと並んで、江戸時代を代表する浮世絵師です。わずか10か月ほどの間に140点以上の作品を残して、こつ然と姿を消してしまったことから「謎の絵師」と呼ばれます。
当時、歌舞伎の役者絵は人気スターのブロマイドのようなものでしたが、写楽は役者を美化することなく、大胆なデフォルメで個性を強調しました。代表作のひとつが中央の「大谷鬼次の奴江戸兵衛」です。金を奪おうとあごを突き出してにらみつけた場面です。両手の描き方は不自然ですが、芝居の臨場感が表現されています。
左の「中山富三郎の宮城野」は、仇討ち話を題材にした歌舞伎の一場面です。長く誇張された顔に大きな花と小さな目が印象的で、“ぐにゃ富”というあだ名がついた女形・中山富三郎の特徴を見事にとらえているといわれます。
右は「沢村宗十郎の名古屋山三と瀬川菊之丞の傾城かつらぎ」、ふたりの役者の全身像です。やさ男の山三にもたれかかる遊女のかつらぎと、何とも色っぽい雰囲気です。
写楽とは誰だったのか。浮世絵史上最大のミステリーともいわれる浮世絵師は、その作品とともに多くの人々を引き付けています。
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